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【資本昔話】わらしべ長者から見えてくる、経済の仕組みと考え方

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今日のテーマ:資本昔話:わらしべ長者

こんにちは、秋山です。

日本昔話から経済を読み解く“資”本昔話。今日のテーマは「わらしべ長者」。あらすじはご存知ですか?ある男が最初に持っていたわらを物々交換していくにつれて、最後には長者(お金持ち)になる話です。

わらしべが豪邸に変わる流れ

媒体によって結末が複数ありますが、今回は以下の流れを参考にします。

・わらしべ → みかん

泣いている赤ん坊にわらをあげると母親がお礼にとみかんをくれた。

・みかん → 反物

喉の渇きに苦しんでいる商人と出会い、みかんと上等な反物との交換を行った。

・着物 → 馬

急病で倒れた馬の飼い主と出会う。市場で馬を反物と交換する予定だったと聞き、男は自分の反物を病気の馬と交換した。

・馬 → 豪邸

病気から回復した馬を連れて引越し中の家の前を通る男に対し、家の主人は、引越し後の移動のために馬を譲って欲しいと言い寄る。男は立派な家と広い畑をもらった。

物語から見える5つのポイント

単に運が良い男の話とするのではなく、経済学の観点で考えていきます。

1.交換

経済の基本は「交換」にある。現代では当たり前のように使われている貨幣も、もとは物々交換を楽にするために生まれた。わらしべ長者では、物語の中で需要に対する供給が幾度も発生し、「交換」が起こっている。

2.価値の提供

みかんと反物の交換には大きな価格差があるように感じるが、これは現実に置き換えてみると「価値(サービス)の提供」ということがわかります。例えばあなたがパソコンを使うにあたって、インターネットの利用や文章を作成することは簡単でしょう。

一方、お年寄りなど機械に不慣れな方々はお金を払ってパソコン教室に通う。あなたからすると、「そんなものにお金を払うなんて」と思うかもしれないが、サービスに
価値を感じる人も多くいるのです。その証拠に、若者が着物の着付けサービスにお金を払っているのを見て年配の方々は「そんなものに…(略)」と感じています。

みかん→反物は、相手が求める価値(サービス)の提供に対し、単に支払い額が上がっただけに過ぎません。

3.リスク とリターン

結果として男は家を手に入れたが、男が取った行動の中には、成果のための要因が含まれています。たとえば「病気の馬を引き取る」ことは、馬が回復したから良かったものの、病気のままなら反物を失っただけ。ワケあり物件をリフォームして上手く売却できたように、これは男が「リスクを負った」ということ。リスクを負ったからといって必ず成功するとは限らないが、成功者は必ずリスクを負っている。

4.投資との関連性

例えばあなたが投資を行うとき、悩みながらも自身で決断をしますね。では、その後は?行動を起こした後は悩んだことを忘れてしまうのか、せっかく決断をしたにも関わらず、「投資をすれば終わり」となる人が非常に多い。

投資をするだけで望んでいた物は手に入るのか?当たり前ですが、わらしべ長者は
「わら」と「家」を交換したわけではありません。わらが果物になり、布になり…と、
交換を継続した結果、最終的に大きな利益を得たのです。

一度目の投資が次に繋がり、次の行動がそのまた次に繋がる。あなたの「家」に辿りつくまで、歩みを止めてはいけません。

5.提供するから利益がある

物語を見ると、交換が発生した理由は男が果物や反物を求めたわけではなく相手が必要としていただけ。僕らは日々の生活の中で、相手が求めるものを差し出すことで対価を得ます。サラリーマンは会社が求める労働力を差し出し、お給料を得ていますね。
男が最初から「わらを家に変えよう」と考えていたら、結果は変わっていたかもしれません。 企業だろうが個人だろうが、対価を得るためには、商品やサービス、情報を相手に提供する必要があります。

・・・以上、日本昔話からはたくさんのことが学べますね。

人は、自分の見たいものしか見ない

最後に、この物語が現実に起こったら周りの反応はどうなると思いますか?男は歩みを続け、リスクを負い、時間を経て家を手に入れました。しかし周囲からは彼が住む豪邸を羨ましがられるだけで、「あいつは運が良かった」の一言で片付けられてしまいます。

人は、過去に相手が苦労したかどうかは関係なく、今の相手の現状しか見ていないことが多い。理由は、比較対象が現在の自分だから。成果は簡単に手に入れられるものではないことを理解し、一つずつ経験を重ねて目標達成を目指しましょう。

まとめ

目標、目的に対して、自身の持つわら(できること)を次のステップに活かしていく。

おまけ

詐欺に引っかかる人ほど、わらと家を交換したがるので要注意。