【目先の損失】回収できないお金と向き合うためには
今日のテーマ:つまらない映画に出会ったら
こんにちは、秋山です。
仕事終わりに映画館に寄ったことはありますか?レイトショーなら上映開始時刻が20時~21時以降となるので、少し遅くまで仕事をしていても気軽に映画を楽しめますね。
TVCMで気になっていた洋画を観ようとチケットを購入し、ポップコーン片手に上映時間ぴったりで席に着いたことを考えてみてください。
期待はずれの映画に対する選択肢
映画を15分ほど観ていると・・・本来ならスクリーンに引き込まれるはずが何かおかしい。CMでヒーロー役だったキャストはなぜがゾンビとして動き回り。SF映画と思っていたのに、子供とパンダが織り成すハートフルドキュメンタリー。まったくワクワクもしなければどちらかというと眠たくなってくる。
「何これ・・・クソつまらん・・・」
そう感じたあなたが、このとき取るべき行動は次のうちのどれでしょうか?
①せっかくお金を払ったのだからがんばって最後まで観る。
②時間のムダ!と映画館を去る。
③SF映画のはず、とパンダが宇宙人に変わることを信じてその場に留まる。
サンクコストに騙されるな!
サンクコストの考え方を知っている方は、自然と②を選ぶことでしょう。サンクコストとは埋没費用とも言って、すでに払ってしまっている、どうやっても回収できない・取り戻せない費用のこと。
サンクコストに捕らわれると合理的な判断ができなくなり、更なる損失を出してしまう可能性が極めて高くなる。大多数の人は、自身が払ったお金に価値があると考えます。
例えば、あなたが起業しようと設備投資を行い、すでに1,000万円をその事業のために使ったとします。このとき、業績が悪化することが見えていたとしてもこれまでに投入した費用や手間を考えると後には引けない、と考えてしまいます。
損失に引きずられる前に、行動を見直す
この判断は、現状の損に更なる大損を重ねてしまう結果を引き起こします。以前配信したプロスペクト理論についてのメルマガでも触れていますが、人間は、利益よりも損失の方が強く印象に残る生き物。「過去の自分の行動は損失だった」と認めることは非常に難しい。
つまらない映画を観ていて、最後まで見てもチケット代は回収できないし、仮にあなたの時給が1,500円だったとしても、2時間の映画に拘束されることがチケット代よりも損が大きいとの考えには至らないかもしれません。
対策は、もし、この○○をしていないとして同じ行動を取る価値はあるか?と考える。同じ行動を取ると思うなら続ければ良いし、取らないなら、すぐに行動をやめるべき。
【まとめ】
過去は忘れる。見るべきは将来への期待益。
【補足】
選択肢③について。
サンクコストから学ぶことは、今後の見通しにおいて確実に赤字が続くなら、過去に投じた金額がいくらでも、撤退すべきであるということ。逆に、今後プラスに転じる可能性が高いのなら、続行も検討する。(赤字が続いても残すべき事業はあるし、黒字なのに撤退すべき事業も存在する。)
この映画がどんでん返しで有名な監督による作品だった場合、最初の展開がつまらないのは当然。サンクコストだからといって、将来に渡って価値が付かないとは限らないことに注意。